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記憶の湖


仕事をしながら時々ラジオを聞いている。

ラジオなんていまどき・・・って思うけど
映像が無い分
想像力が働いて それなりに楽しい。


そして今日はそのラジオから
『石川セリ』の歌が流れてきた。
井上陽水の奥さんでもある彼女の歌声はとても
ふわふわしてとても好きなのです。

彼女の歌はずっとずっと前に
とても大切な人の車で時々流れていた。
切ない気持ちを歌ってる
その歌を聴きながら
その人と過ごした時間
そのときの気持ちを思い出して

それって
今の私の想いととても似ていて
とてもとてもせつない。




昨日読んだ本
「パイロットフィッシュ」の中の言葉が頭の中を巡る。

『人は一度めぐり合った人と
 二度と別れることはできない』                       
誰かと出逢えば                 
それは記憶の中に残り
表面上はいつしか忘れ果ててしまうようだけれど
実は記憶の湖のような場所に
放り込まれてるだけ。
そして何かの拍子にのときに
また浮き上がってくることもある



だから
いつまでも僕は君とともにある。

そんなふうに主人公は言うのだけれど・・・



二度と会うことなどなくても それ以後も
その人が自分に何らかの影響を及ぼしてる
ということは確かにあるかもしれない。

だから別れることはできない
記憶の湖の中から
消し去ってしまうことはできない。


忘れてしまいたいことだってあるから
実のところ 忘れられないってことは
そのほうが悲しいのかもしれないなんて
思ったりもするけれど

それでも
私は『想い出』って好きだと言いたい。

それって 夕焼け色をしているから。



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 パイロットフィッシュ 大崎 善生


2004-09-09
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Top▲ | # by setsunailmare | 2006-06-08 07:55 | BOOK | Trackback
天国までの百マイル

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天国までの百マイル  浅田 次郎



主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい、いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど落ちぶれた中年男。
ある日、心臓病で入院する母を見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ愕然とする。
そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。
残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうこと。
衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は、房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走る。
はたしてその先に奇跡は待っているのか――。


~ * ~ * ~ * ~


浅田次郎さんの本を読むのは初めて。
あまりに有名なので読むのを躊躇っていたけれど
待ち時間の多いここ数日 時間つぶしにと カバンに放り込んであった。

読みながら なぜか泣けてしかたがなかった。

年老いた親の介護や終末医療というテーマは
たしかに自分の身にせまってきている問題でもあって
自分とも重なる部分も多いから ということもあるけれど。

なんといえばいいのか・・・
登場人物のそれぞれの 長所と短所
自分の中にもある一面だなぁと思うと 怖かったりして。


失って初めて気づくもの。
それがどれほどのものなのか・・・

すべてを失ったときに
人は何をよりどころにしたり
どんな心持になるのだろうかって考えてみた。

いろんなものをもっている時は
それを失くすのがこわくてなにもできない。
守りの態勢になってしまうのですね。

何も持っていないということは
そういう意味ではとても強い。
守るものすらないのだから・・・


何もかも失くしてしまったことがある。
この主人公のように。
失くした人と
失くさなかった人の間に
どんなことが起こるのかをしっかりと見てきた。

いろんな意味での極限に近い状態にあるときに
その人や周りの人の本来の姿が見える。
変わる人もいれば まったく変わらない人もいる。

信じていることって
どれほど儚いものなのかっていうことも
いやと言うほど知ったのに
それでもやはり
信じずにはいられない自分が居て

・・・
などと いろいろ思い出したり考えたり。


そして
なんとも言えずに泣けてしまったのが
安男の同棲相手のマリのこと。
「ブスでデブ」を自認するホステスのマリは
不幸な生い立ちにもかかわらず底抜けに明るく
安男に惜しみない愛情を注ぐ。

マリのように愛することができれば
もしかしたら 本当は幸せなんじゃないかって 思ってみる。
自分の幸せはあまり考えていなくて
もっととても刹那的なもの
一緒に居られたらそれでいい
そのあと 愛する人が幸せになってくれればそれでいい。
そんなふうな愛。。。

愛されることばかり望んだり
何か物やお金で満たされていればそれで幸せなのかと
そんなことばかり考えていた。



2004-08-23
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Top▲ | # by setsunailmare | 2006-06-08 07:53 | BOOK | Trackback
水を抱く  ~きらきらひかる より

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きらきらひかる  江國 香織



私たちは十日前に結婚した。
しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである―。
笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。
そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。
セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは。
傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る
純度100%の恋愛小説


~ * ~ * ~ * ~


この前
江國香織さんの『ウェハースの椅子』を読んだときも
そうだったけれど
江國さんの小説には
どういうところがどうだと言い表せないけれど
とても共感してしまう のです。


お互い脛に傷を持つもの同士
カモフラージュのために結婚したはずだったのに

笑子は睦月を愛しているみたいだ
たぶん睦月も・・・
紺という恋人がいるにもかかわらず。

「あいつと結婚するなんて
 水を抱くようなものだろう」
睦月の父親が笑子に言った言葉が
私の頭の中でこだまする。

ホモと結婚しなくったって
自分が精神不安定でなくったって
『水を抱くような』気持ちには何度もなったことがあるのだから

お互いがお互いを愛しつつ
自分では相手に不足だからと遠慮してるそんな愛。
薄いガラスのようにすぐ壊れてしまいそうな
それでも離れることもできない
これ以上近づくこともできない
あやふやなもの。


今まで
戸籍とか セックスとか 子供とか 世間とか
そんなものに惑わされたり守られたりして
愛ってほんとは確固たるものだと
錯覚してきたのかもしれない。

ほんとはこの笑子と睦月と紺の愛みたいに
いまにもこわれそうな ささやかな均衡の上に成り立つ
脆そうなのに強いものなのかも知れないなって
気づいたりして・・・



でも
水を抱く って
手に入りそうで入らないそんな気持ちを
上手にあらわしてるなって思うんだけど
そうは思いませんか?



2004-08-12
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Top▲ | # by setsunailmare | 2006-06-08 07:50 | BOOK | Trackback
日々

日々是好日
にちにちこれこうにち と 読みます。

その日その日が
たとえ雨でも 嵐でも いやなことがあった日でも
それぞれは 佳き日 なのだということなんだそうです。

そんな風に毎日を過ごせたらいいな♪ と思っています。
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Top▲ | # by setsunailmare | 2006-05-31 11:00 | 日々
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